センター試験の大失敗
私の転機は、センター試験に失敗したことです。
なんと、数学の回答のほとんどを1問ずつズレて書いたことで、びっくりする点数をとりました。
結果、そこそこ安全圏と言われていた志望大学に手が届かず、数学の配点が低い、面接重視のところに進学しました。
それまで、真面目にそこそこな優等生をしていた私は、「人生オワッタ」と本気で思っていたような気がします。
進学した大学で出会った教授が、めちゃくちゃおもしろい人でした。
その教授は、私の入った学科のクラスの担任の先生で、入学早々にこんなことを言われました。
「日本の大学は、まだ社会人になる心の準備ができずにうろうろしている若者たちを囲っておく動物園のようなものだ。くだらない講義に来て居眠りしているくらいなら、もっと外へ出て今しかできない体験をたくさんしてきなさい。体験してきたことをレポートにまとめて提出したら、俺の単位は出してやる。」
いろんなバイトしたなぁ。留学もしたし。ボランティアもした。
本当に最低限の講義しか出ずに、いろんな経験をしました。
そんな中で、結局一番真面目に大学に通ったのが、その教授のゼミでした。
出席しなくても単位もらえるのに。
とにかく、ゼミが楽しかった。
用事もないのに研究室に入り浸って、仲間や教授といろんな話をしました。
ゼミで出会った仲間たちが、自分が何者かわからなかった私に、そんなのわからなくていいことを教えてくれました。
大切なのは、自分に素直になることだと。
今自分がいるこの場所を、大切にすることだと。
卒論も、学科のテーマと全然関係なかったけど、「自分ととことん向き合いなさい」と教授が促してくれたテーマで書き上げました。
もしも、センター試験に失敗していなかったら…
考えただけでおそろしいです。
今の自分はないだろうなぁ。
今の職業にもついてないかも。
あの日、センター試験での私の答えをズレさせたのは、神さまのちょっとしたプレゼントだったんじゃないか、って思うことがあります。
そっちじゃないよー。こっちへおいでーって。
人生ってうまくできてる。
そして、人生って素敵なものです。