みかん先生はくじけません

小学校教師。平本式認定講師。DoMaNNaKa発見トレーナー。日本プロカウンセリング協会二級心理カウンセラー資格。

子どもに慕われる存在になるために~儒教の教えに基づく4ステップ~

「みかん先生が担任の先生になってくれたらいいのにって2年前くらいからずっと子どもが言ってたんですよ」

 

今年のクラスをもって、5人くらいのお母さんたちから言っていただいた言葉。

これ、数年前から毎年決まって言われる言葉です。

 

全然知らない子から、ラブレターをもらうこともしばしばあります。

「先生のことが好きです。来年は私の担任の先生になってくれませんか?」みたいな。(笑)

 

他のクラス、しかも、他の学年の子どもたちと関わる機会なんて、正直ほとんどありません。

廊下ですれ違うか、朝会で偉そうに話している姿を見るか…
そのくらいです。

(6年生をもつことが多いので、担任したことがある子どもたちはみんな既に卒業しています。)

 

 

なぜ??(*'ω'*)

ってずっと思っていました。

 

 

そして、それがなぜなのかは明確には分からないのですが…

私が日々心がけ、実践していることを、儒教の教え「仁義礼智」にそって整理してみました。

 

 

①自分自身が毎日を楽しむ【仁】

 

仁とは…

人間が守るべき理想の姿。

自分を愛すること、そして身近な人間を愛し、ひいては広く人を愛する生き方。

 

自分の感情の変化を子どもに分かりやすく表現するようにしています。

 

・子どもたちががんばっているときは、「すごいー!!」と言いながらにっこにこの笑顔で見守ります。

・おもしろいときは、大口を開けて笑います。

・怒るときは本気で怒ります。鬼のような顔になります。

・嫌味を言うときも全力です。いやーな顔をします。

・悲しいときは涙を流して泣きます。

・失敗したときは落ち込みつつ謝ります。そのあとすぐに復活します。

 

先生が何を考え感じているか分かりやすいと、子どもたちは安心するみたいです^^

 

ちなみに…ポジティブ感情8割以上、ネガティブ2割以下を心がけます。

ネガティブは、その感情が伝わればそれ以上表現する必要はありません。

 

教室では、だいたいなんか楽しそうに過ごしています。

 

「みかん先生って、ほんとに楽しそうに授業しますよねー」

これも、参観日に親御さんによく言われます。

 

だって。

楽しいんです。笑

 

つらいときももちろんありますが、にーっと笑うとたいてい楽しくなっちゃいます。

 

 

②言動を一致させる【義】

 

義とは…

人の歩んでいく正しい道のこと。
考えることや口から発する言葉、実際の行動がすべて、義理人情、道理・倫理、法律にかなっている生き方。



何かを言うとき、行動するとき、それが、道理・倫理にかなっているかを考えます。

「どうしてそうしたんですか?」を聞かれたとき、答えられるように自分で筋道を立ててから発するようにしています。

 

そして、言っていることとやっていることが一致するように心がける

 

子どもたちに自主学習を進めるならば、自分が学び続けることは必須です。

子どもたちに時間を守れというならば、自分も守る努力を見せます。

(守れなかったときは、謝ります。)

 

なぜ?を説明できること。

そこに自分なりの筋を一本通すこと。

やれと言うことは自らやって示すこと。

 

これがないと、高学年の子どもたちには確実になめられます。(^^;

 


③子どもたちを尊敬すること【礼】

 

礼とは…

人の世に秩序を与える礼儀礼節のこと。
親や目上の人に礼儀を尽くすこと、自分を謙遜し、相手に敬意を持って接する生き方。

 

子どもたちに敬意をもって接します。

一人の人として尊敬して接します。

子どもたちから学ばせてもらっているということを忘れないようにします。

 

何かしてくれたことには「ありがとう」。

彼らの行動に感動したら、「私にはできない!!あなたたちは本当にすごい!!」と心からの感動を伝えます。

彼らの意思を尊重します。

彼らと共に考え、共に学びます。

 

だって、彼らは天才です。ほんとです。

大人よりすごいところだらけです。

 


④自らの教養を広げる努力を怠らないこと【智】

 

智とは…

人や物事の善悪を正しく判断する知恵のこと。
さまざまな経験を積み、知識を蓄える生き方。

 

 

人に何かを教える立場にある人間が、学び続けることは必須です。

日々学び、さまざまな経験を積むことで、偏りのない考え方や接し方ができるように自らが成長していく必要があります。

 

こう書くとなんか重いし固いのですが…

学ぶことってめちゃめちゃ楽しいです。

 

オーディオブックで通勤中に本を聴く。

トイレとかお風呂とか、ちょっとした隙間時間に本を開く。

人と出会い、新たな考えやアイディアをもらう。

そこで得た学び、気づいたことを、子どもたちに伝えていく。

 

先生は、インプットしたらアウトプットする場が常に用意されている、実に幸せな職業です。

 

 

すると、子どもたちから信頼される!!たぶん!!

 

 

とはいえ…

もちろん、いつもできているわけじゃありません。

(いつも完璧なスーパーマンなんてこの世にいません。たぶん。)

 

イライラ怒る日が続いちゃったら、そのことをそのまま話します。

「なんか最近怒ってばかりでごめん!考えたんだけど、たぶん〇〇なことが原因だと思う!なんとかならないだろうか??」

子どもたちに正直に謝って相談します。

 

「しょうがないなぁ。先生がイライラしないように、みんなで考えてあげよう!」

こんな声が挙がるようになります。笑

 

 

そんなダメダメな自分とも素直に向き合うことが大事!

生きることを自ら楽しむ姿を、子どもたちに見せつけてあげましょう。笑

 

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子どもの心に響く小話集②~授業中めっちゃ手が挙がるようになる!~

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教室はまちがうところだ!
失敗なんか恐れずに発表するんだ!


そんなこと言われても、間違うのは恥ずかしいもの。


そっか♡
じゃあ手をあげよう!


とは、なかなかならないものです。


とはいえ。
私のクラスの子どもたちは、とにかくたくさん手を挙げます。

私が、子どもたちに発表を促すときは、こう話します。



間違ったら恥ずかしいと思うでしょう?
こんなこともわかんねーのかよって馬鹿にされちゃうかな?とか、
うまく話せなかったらどうしよう!とか思うよね。

でもね。
間違ったとしても、大丈夫!

人は、あなたが間違ったことなんか覚えてないんです。

あなたほど、あなたに興味のある人なんていない。
あなたが思うほど、人はあなたに興味なんか持ってない。
あなたが自意識過剰なだけなんです。

だから、大丈夫。
間違っても、みんなそんなことすぐ忘れちゃうから。


嘘だって思う?


じゃあさ。
自分が写っているクラスの集合写真が配られたら、みんながまず一番最初に探すのは誰ですか?


絶対自分でしょ?


まずは、みんな自分自身に興味がある。



じゃあ、ちなみに。
先週やった算数の授業で、先生がまとめのところで言い間違いしちゃって、
すっごーーーーく恥ずかしかったんだけど、
誰か覚えてる人、いる?


先週の授業で、手を挙げて間違った答えを言った人の名前、挙げてみて?


ほら、誰も覚えてない。




ちなみに。
なんで手を挙げて発表したほうがいいかっていうと、全部自分のためです。


ただ聞いているだけだとほぼ身につかない授業内容が、手を挙げて発表をしようとするだけで、脳が能動的になって格段に頭に入るようになる。
理解力がぐんとアップする。

発表に挑戦して失敗すると、その失敗の数だけ、その人の表現力はアップする。


しかも、その失敗を覚えているのは、あなただけです。


挑戦しなきゃ損だと思わない??


どんどん失敗してレベルアップしていきましょう。
その挑戦を、みんなで応援していきませんか?


mikan0515.hatenablog.com

先生vs子どものトラブル解決法!~悪口がもたらすものとは?~

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4月の頃のKくんは…

授業が始まっても、教科書も出さなかった。
めんどくせえと言ってノートを書きたがらなかったし、
俺バカだからと言って、テストを白紙で提出してきた。
「体操着のシャツ入れて」とか、「上履きちゃんと履いて」と注意をするたびに、舌打ちしたり、反抗したり…
いつも何だか不満げだった 。


今では…

授業中たくさん手を上げて発表する。
ノートの評価は Aを取る。
漢字テストでは、だいたい80点を取れるようになった。
最近は、自主学習も自分から進んでやってくるようになった。




そんなKくんなのですが…
ある先生の悪口を言いふらしている中心メンバーの一人として、名前が挙がりました。

事実を確かめようと、 Kくんを呼んで話を聞きました。


その受け答えがなんともまぁ…

あっぱれ!( ̄ー ̄)

堂々としたものでした。
4月のころをちょっと思い出しました。笑



「はい。言ってますよ。
 俺あいつ嫌いです。
 偉そうに理不尽なことばっかり言ってくるんです。
 俺悪いことしてません。」





どんな理不尽なことを言われたの?
そっか。
それは悔しかったね。
他には?
それの何が嫌だった?


寄り添って聞ききった後、聞きました。



それで、悪口を言いふらして、何かよくなりましたか?
Kくんの気分は、晴れましたか?


「………」
黙ってうつむくKくん。



悔しかった気持ちはわかるよ。
確かに、悪口を言えば、その先生を嫌だなーって思う人が増えて、その先生に嫌な思いをさせられるかもしれない。


でもさ。

それで??
それはKくんにとって、どんないいことがあるの??



例えばね。
今回のことで、Kくんは周りの人からこんな風に思われるかもしれない。


「あー、そっか。
 Kくんって人の悪口を言いふらしたりするんだ。
 きっと今日、今度は私の悪口を言いふらすんだろうなぁ。
 これからKくんのこと呼んで注意するの、やだなぁ。
 もうあんまり深く関わらないようにしよう。」


Kくんがパッと顔をあげて、悲しそうに首を振りました。


悪口ってね、一番被害を受けるのは、悪口を言っている本人なんだって。
自分の、人としての信頼度や価値を下げてしまうよ。




この後は、クラスみんなに話をしました。


先生たちはね、君らに嫌われる覚悟をもって仕事をしてる。
こんなこと注意したら、みんなに嫌われちゃうかな?なんて思ってたら、先生の仕事なんてできない。
だから、君らの将来にとってよくないと思えば遠慮なく叱るし、怒る。

そして、その怒るポイントや伝えたいメッセージは、先生によって違う。
だって、先生たち一人一人がそれぞれの人生を生きてきたんだもん。
大切に思うことも、みんなに伝えたいことも、みんな違う。
みんなは、関わる先生の数だけ、たくさんのメッセージを受け取ることができるんだよ。

でもね。
それを受け取るか受け取らないかは、あなたたち一人一人が決めることができる。

あなたたちが、「それは違う!」と思うことがあるなら、きちんと話そう。
大人だって間違う。
間違っているって分かったら、先生たちだって反省できるし、改善できます。


影でごちゃごちゃ言って、何かいいことがありますか?
それで何かが変わりますか?


せっかく出会って一緒に学んでいるんです。
きちんと話をしてください。
文句や悪口じゃなくて、相談ならば、先生はいくらだって話を聞きます。



子どもたちと同じ目線で物事を見られる大人でいたいです。
対等に話し合える信頼関係を、大切にしていきたいです。
子どもたちからのまっすぐな声に、きちんと向き合える大人でありたいです。

子どもたちの話し合いで起こるトラブル解決!〜ちゃんとってどういうこと??〜

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何か問題が起こると、嬉々として問題解決に向かう子どもたち。
頼もしい限りですが、子どもたち同士の話し合いは、うまくいかずに揉めてしまうこともとても多いです。


ある日の給食の時間。

「自分たちで決めたことをもう少し大切にしなさい!守る気がないルールは必要ありません。」"(-""-)"

自分たちで決めたルールをテキトーにしたことを、私に怒られた子どもたち。
早速、休み時間をつかって話し合いをすることにしたようでした。
(私は所用で不在でした。)


話し合いの議題は、

このままのルールでもう一度リベンジするのか。
ルールを決め直すのか。



多数決をとった結果、このままのルールでもう一度リベンジすると決まったらしいのですが…

ここで、この話し合いに納得いかない子が出できたんだそうな。


その子たちの主張は、

ちゃんと参加していない人が多すぎでしょ!!
こんなんじゃ、この話し合いは成り立ったとは言えない!!

というもの。

それで、もう一度話し合いをし直すかどうかで揉めたんだそうです。



結局…

一度目の話し合いでもう終わったと思った人達が外に遊びに行ってしまったり、委員会の仕事に行ってしまったりして…

なんだかどうなったか結論が分からなくなってしまいました
と報告を受けました(笑)



さて。
今回の問題はどこにあったのか。

こういうときは、平本式現場検証で関わります。


そもそも、
ちゃんとって何??
ってとこです。


1度目の話し合いで、聞かれている内容を理解して多数決に参加した人が、一体どの位だったのか聞いてみました。
すると、5人を除いてその他のすべての子たちが、話し合われた内容を理解していたし、ちゃんと答えたつもりでいたことがわかりました。
それなのに、その状況を「みんながちゃんと聞いていると捉えられなかった」人たちが結構多くいたのです。


このズレが事の発端。


「じゃあ…。何かやりながら聞いてたからちゃんと聞いてないように自分は見えたかもしれないと思う人、手を上げてごらん。」

そう言うと、15人くらいの手が上がりました。



ちゃんと聞いているつもりでも、ちゃんと聞いているように見えなかったら誤解を招く。

そのことで、この話し合いは成立せず、再度話し合いを持とうとした結果、よく分からない結果になってしまった。



やっているつもりではなくて、相手にやっていると見せるように心がけることがどれだけ大切か。
そして、ちゃんとやっていないように見えたとしても、実際どうなのかは、本人たちにしか分からないということ。


今回子供たちはそのことを学ぶことができました。


次は、「ちゃんと聞いてないように見えるから、手を止めてこっち見てほしいなー」
って、ちゃんと伝えるようにするんだそうです。


トライ&エラーの繰り返し。
何度失敗してもいい。
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所属する集団の質によって人は変わる~学級経営の大切さ~

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所属する集団の質によって自分自身の質が決まる

 

よく耳にする言葉です。

だから、大人は友人を選びます。

所属する集団を選びます。

愚痴ばかり言う人とは距離を置いたり、つまらなそうな飲み会には参加しなかったりします。

 

 

でも、子どもはクラスを選べません。

だからこそ、どんな学級をつくるかが、ものすごく大切になってきます。

 

 

協力し合おう

助け合おう

応援し合おう

違いを認め合おう

 

失敗しても大丈夫

苦手なことがあっても大丈夫

 

あなたは素敵

あなたならできる

そんな言葉が飛び交うクラス

 

 

そんなクラスになるように、私は毎日伝え続けます。

よいところを見つけて指摘し続けます。

あまりよくないところがあったら、本当はどうなりたいか、どうすればもっとよくなるかを一緒に考え続けます。

よい変化を毎日一緒に喜び続けます。

 

 

笑顔がふえる。

挑戦できるようになる。

努力できるようになる。

発する言葉がポジティブになる。

友だちに優しくできるようになる。

できることが増えていく。

 

 

一歩一歩。

ひとつひとつ。

こうなりたい、こうしたいという未来に向かって、できている事実を積み上げていくこと。

 

そうすれば、子どもが自分らしく成長できる学級をつくることができる。

そうすることで、子どもたちの可能性は無限に広がっていきます。

子どものケンカ対処法~こんなときは、敢えて寄り添わない~

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自習の後、競い合うように私のところへやって来た、NくんとSくん。

 

「先生、Sくんが何度言っても集中して問題をやらないんですよ。

 ちゃんとやりなよって言ったら、うるせぇ!首突っ込んでくるな!って。」

 

「Nくんだって、ボンドの蓋をいじって遊んでました。

 それなのに偉そうに言ってきたんです。」

 

競い合うように得意げに報告してきました。

 

 

まずは、二人の表情を観察します。

 

大して2人自身の感情は動いていない。

(悔しい、悲しいなどの困り感が見られない)

 

そして、主張している内容を客観的に頭の中で分析します。

 

相手がいかにひどいかだけをひたすら主張しているだけ。

相手を先生に怒ってもらって、自分の正当性を主張したいだけ。

 

彼らがこのまま大人になったらどうなるだろうと想像します。

 

誰かを下げることで、自分の地位を確立する。

自らで解決する努力をせず、不満を誰かにぶつけることで何とかしようとする。

 

私がどう関われば、彼らの将来に役立つだろう?

 

 

最後に、自分の心に聞いてみます。

 

あーーー マジしょーもない。くだらない。( 一一)

 

 

そう思ったら…

 

こういうときは、私は、敢えて寄り添わない。

 

「それで?」「他には?」「それで?」

メモを取りながら淡々と無表情で冷たく聞いていきます。

 

「他には?」

「いや…もうありません。」

「いいえ。それだけ訴えてくるんだから他にもあるはずです。他には?」

「いえ…。これだけです。」

 

「分かりました。聞いた情報を整理します。」

淡々と冷たく、彼らが主張した内容をメモを見ながら読み上げます。

 

 

先生が他のクラスで授業をしていた、算数の自習時間。

課題は教科書の問題と計算ドリルの問題を、協力して進めることでした。

 

Sくんの手が進んでいないのが気になったNくんは、「ちゃんとやれよ」と注意しました。

「やってるよ」とSくんが答えました。

Nくんがボンドの蓋をいじりだしたのを、今度はSくんが見つけました。

「ボンドの蓋さわるなよ」

「うるせぇよ」とNくんは答えました。

ちなみに、ボンドは算数の勉強とは関係ないけれども、勉強に飽きたから出したで合っていますね?

 

「鼻歌うたってんじゃねぇよ」

「うるせぇな、首突っ込んでくんなよ」

 

このようなやりとりをこの後も何度も繰り返し、

みんなに「静かにしなよ」と注意されても止めず、

結果、2人とも算数の問題はちっとも進まず、自習が終わりました。

それでもまだ文句が言い足りないので、先生にぶつけに来ました。

 

これで合っていますか?

 

 

黙ってうつむく2人。

 

 

「それで、先生にどうしてほしいですか?」

「いえ…」

「先生が怒ってあげてもいいですが、それであなたたちの気が晴れますか?」

「……」

「『自分は悪くない!お前の方が悪いんだ!』これ、いつまで言い続けますか?」

「それで、何かいいことがありますか?」

「いえ…」

 

「じゃあ、先生が思ったことをそのまま言わせてもらってもいいですか?」

「はい…」

 

ここで、声のトーンを変えます。

感情をのせて。思いを込めて。

 

 

くっっだらない!!しょーもない!!

人の注意する暇があったら、まず自分のことをちゃんとしなさい!

みんなの自習の邪魔をするな!

人の悪いところばかりを見つけてぶつけても、相手はよくならない!

相手より自分の方が正しいことだけ主張しても、自分の価値は上がらない!

 

 

言い切ったら、声のトーンを戻します。

冷静に淡々と。

 

「先生の言いたいことは以上です。2人から何かあったらどうぞ。」

2人はぺこりと頭を下げました。

「すみませんでした…」

「ぼくも…。すみませんでした」

 

「何に対してすみませんですか?」

「ちゃんとやってないのはお互い様なのに、お互いむきになっちゃいました。」

「やられた分やり返してやろうって、嫌な言い方をたくさんしちゃいました。」

 

2人の様子にとりあえずホッとします。

頭にポンと手をのせると、2人は顔を上げました。

 

「分かってくれて、よかった。

 お互い、自分が悪かったなって思うところを謝ろうか。」

 

にこっと笑ってそう言うと、2人がこくんとうなずきました。

 

 

算数が苦手なSくんとNくん。

問題が解けないイライラもあったのでしょう。

 

「昼休みは、先生と一緒に問題の続きをやりますよ。」

少しおどけてこう言うと、2人はにっと笑って元気に返事をしてくれました。

 

 

昼休み、一緒に自習で進まなかった問題を進めました。

 

「あー。これが分かんなくってイライラしたんだよなー」

「わかるー!!」

「あはは。似たもの同士じゃん。次は同盟組んで協力してがんばんな!」

「たしかにー!!」

 

問題も進んで、とっても楽しい時間になりましたとさ。

 

 

そう。

先生は、あえて寄り添わないこともあるのです。