私の大切な場所~ふるさとっていくつあってもいい~
私には、ふるさとが3つある。
そのうちの一つ、祖母の家がある愛媛県西宇和郡伊方町について紹介しようと思う。
伊方町は、愛媛の細長ーくとんがった部分の先っちょ。
海と山に囲まれた集落に、祖母は住んでいる。
そりゃあもうびっくりするくらいのレベルのド田舎✨だ。
一番近くのスーパーまで、車で10分。
(歩くと1時間くらい。しかも夕方には閉まる。)
最寄り駅までは……
ん?最寄り駅とかないかも。
電車は通ってない。
松山から、バスが1日3本出ているだけ。
家に鍵とかあるんかな?
かけているところは見たことがない。
荷物は郵便屋さんが中まで届けてくれる。
虫が大きい。
蚊も蜘蛛もGもめちゃくちゃ大きい。
道を歩いていると声をかけられる。
「見かけん顔やねー。あんただれやー?」
………!!(゜ロ゜ノ)ノアンタモダレヤー!!笑
料理を作っていて、野菜がなくなると、祖母は包丁を片手に家を出ていく。
………………(((((゜゜;)フシンシャ!!笑
畑にいって野菜を刈ってくるのだ。
葬式には、集落の皆さんで集まってお経を唱えたりする。
祖父の遺骨は親戚が自ら墓に潜って納めた。
これには本当にびっくりしたけど、感慨深かった。
山には猪が出る。
祖母家はみかん農家。
猪の罠を仕掛けたりする。
夜はまっくら。
街灯とかは、あまりない。
だから……
星がめちゃくちゃキレイ✨
空気が澄んでる✨
自然の音が聞こえる✨
心が落ち着く✨
自分の悩みをちっぽけに感じられる✨
私はこの場所が大好きだ。
ここで会える人たちが大好きだ。
大好きすぎて、大学生のときからずっと、みかんの収穫の手伝いという名目を作って入り浸っている。
今も。
祖母が元気なうちは、年に2回は帰る。
それが私が勝手に立てた目標だ。
いつ行っても、
「おかえり」と迎えてくれる。
「またおいで」と見送ってくれる。
祖母の笑顔が大好きだ。
がんばって生きてきた、しわくちゃな手が大好きだ。
どんなしょーもない自分も受け止めてくれる場所。
生きることがいかにシンプルなことかを思い出させてくれる場所。
人っていいなぁー。地球っていいなぁー。
なんていう漠然としたよくわからないことを、ただぼーっと味わえる、最高に贅沢な場所。
生まれ育った場所ではないけれど、私の欠けがえのないふるさとです。