みかん先生はくじけません

教育革命家。未来学園HOPE学園長。しあわせ先生塾主宰。元小学校教師。平本式現場変革リーダー養成サブ講師。DoMaNNaKaマスタートレーナー。日本プロカウンセリング協会二級心理カウンセラー資格。教育についてのいろいろを綴ります。

学級崩壊の恐ろしさ、知ってますか?~Fくんが私に教えてくれたこと~

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昨日 自分の過去と向き合う機会があって

久々に思い出しました

教員になって1年目に出会った Fくんのこと

 

 

当時  Fくんは小学4年生

私は臨時採用の身(教員採用試験に受かってない)

算数の時間だけ 担任の先生の補助に入る役割だった

 

始めは算数の時間だけ関わっていたFくんのクラスは

6月の時点で半崩壊状態になり

10月頃には完全に崩壊学級になった

 

4月のころ 大人しくて可愛かったFくんは

そのクラスの中で 豹変していった

6月の途中から私の役割が変わった

算数補助ではなくて、「Fくんを抑える」担当になった

 

 

私自身 先生になる気なんかなかった

「先生体験を1年できれば楽しいかなー」くらいの軽い気持ちで

この世界に飛び込んでしまった私にとって

Fくんとの出会いは ものすごく重いものだった

 

 

「役立たず」

私はFくんにそう呼ばれていた

うっすら笑みを浮かべて私を笑うFくんの瞳は

いつも くすんで曇っているように見えた

 

私は 正直Fくんが怖かった

Fくんから殴られた傷跡が あちこちに増えていったし

あの瞳で にらまれるのも嫌だった

どんどん Fくんに関わるのが苦痛になっていった

Fくんの愚痴を担任の先生から聞くこともうんざりだった

 

「早く終われ」

そう思った

「早くこの1年が終われば辞められる」

そう思った

 

でも…

授業中 教室を飛び出すFくんを追いかけて 廊下で2人で話してみると

ときおり Fくんが無邪気に笑ってくれることがあった

その度に 涙が出るほどうれしかったのを覚えている

 

今思えば…

あのときのFくんは 全身でSOSを出してくれていたんだと思う

あの頃の私に

それを受け止める知識も、スキルも、器も、気概もなかった

 

 

ある日

Fくんのクラスに入ると

Fくんが画鋲を教室中にばらまいていた

私はそれを 黙って拾い集めた

 

「役立たずが来たぞー!」

Fくんがそう叫んで笑う

私はFくんをにらんだ

「何だよ。何か言ってみろよ」

このFくんの挑発から

私は逃げた

 

Fくんが怖かったし

Fくんを怒らせて担任の先生からグチグチ言われるのも面倒だった

 

自分を守るために 彼に媚びた

彼を面倒だと思って 彼に屈した

 

 

「座ってじっとしてればいいから...」

 

諭すように 取り繕うような笑顔で

Fくんに こんなようなことを言った気がする

 

瞬間…

彼の瞳が 怒りに変わった

 

思いは伝わる

…伝わってしまう

 

 

Fくんは、素早く引き出しからコンパスを取り出し

コンパスの針を 私の額に突き付けた

 

「殺すぞ。役立たずは出ていけ」

 

そのあとのことは よく覚えていない

コンパスを必死で取り上げ

そのコンパスを持ったまま

職員の女子トイレで泣いていた

 

情けなくて

悔しくて

 

なんで私がこんな目に合わなきゃいけないのかと

なんで ガキに役立たずなんて言われながら怯えなければならないのかと…

 

 

 

 

そんなこと…

すっかり忘れていたのですが

久々に思い出しました

 

 

あのときの悔しさがあったから

私は死に物狂いでクラス経営について学んだ

子どもの心のしくみについて学んだ

 

絶対にいけないと思うことは

「いけない!」

と精魂込めて向き合えるようになった

 

 

 

Fくんに 言いたいことがある

 

「力になれなくて ごめん」

「差し出された手を 握り返せなくて ごめん」

「助けを求めてくれて ありがとう」

 

私は あなたみたいな子を放っておかない大人になる

我が家のパートナーシップ~何でも笑い飛ばしてみよう~

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昨日 久しぶりに旦那さまに会いました。

 

うちは少し変わっていて、

自分の都合に合わせてバラバラにお互いの実家に帰るので、

帰るタイミングがすれ違った結果、

昨日 久々に再会した次第です。

 

久々なので、

何か感動的に演出でもしようと思ったのですが…

 

まあ、いつもどおりでした(・ω・)

 

 

ガチャ!

 

私「ただいまー!!」

旦「おかえりー!」

私「おおーーー!!元気だったかー??」

旦「おー。てか、クーラーつけっぱなしだったぞー」

私「え!!そらうっかりだわー」

旦「ウケるわー。冷やしといてもらって助かったわー」

私「やっぱりかー。さすが私。思いやりだわー。電気代つぎ込んで尽くしとるわー」

 

そういえば。

うちの旦那は不平不満を言わない。

何でもかんでも「ウケるー」にしちゃうんだ。

それで、なんとなくおもしろくしちゃうんだ。

ちょっとバカっぽいけれど、いいかもしれないと思った。

 

愛媛で酔っぱらって路上で寝たらしいし、

私のせいで旦那実家のビールがなくなってお義父さんが文句言ってたらしいけど。

ウケるねーと言って笑い飛ばす。

 

我が家のお気楽コミュニケーション(*^^*)

大好きな故郷~わたしの元気の源~

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毎年帰る 祖母の家

 

愛媛県の先っちょ

海と山に囲まれた なーんもないところ

この祖母の家が 私はたまらなく好き

 

祖母の家には鍵がない
正確に言うと
鍵をかけているところを見たことがない

郵便屋さんは縁側のところまで入ってきて
荷物を置いて行ってくれる

 

車のキーもさしっぱなし

鍵をかける必要はないんだそうな

 


祖母は野菜を育てていて
とれた野菜で献立を決める

 

「ばあちゃん。キャベツが足りんよー」
そう言うと
ばあちゃんは 包丁片手に畑へ出かけていく

包丁を持って老人がうろついていても
不審者通報なんかされない

 

ばあちゃん数人が

包丁持って 井戸端会議なんてことも…w

 

ばあちゃんが育てるキャベツはいびつ
あお虫がたくさんついている

 


「ばあちゃん、夕飯は何時ごろ食べるんー?」
そう聞くと
「陽が沈んだらよー」
と答える祖母


時間はいつも
ゆったりのんびり流れている

 


「ばあちゃん、星を見に外へ出てくるよー」
そう言うと
「野犬がおるけん、気ぃつけやー」
と返ってくる

 

危ないのは人じゃなくて 野犬なんねw

 


道を歩いていると

知らないじいちゃんばあちゃんから声をかけられる

 

「あんたどこのだれやー?」

 

知らない人が歩いているのが珍しいのだ

 

「〇〇の孫です!」

答えると…

 

「あー!!先生やっとる子ぉやね。

歌を歌いよるって聞いちょる。

コンサート開く言うとったわ。

どやったん?うまくいったんか??」

 

…(;゚Д゚)!?

 

個人情報ダダ洩れやないかい!!w

 


そしてなんかをくれる

野菜とか お菓子とか みかんとか

「がんばりぃやー」
そう言って

 

 

今年もばあちゃんの家に帰ってきた

 

「さっきとれたスイカ食べるかー」

そう言って迎えてくれた

 

ばあちゃんが作ったスイカは甘くて美味しい

 

 

ばあちゃんの家はみかん農家です

 

いつ帰っても
あったかくて優しい場所

 

さいころから

みかん先生の元気の源

学校の成績ごときに振り回されるな!~通知表を渡すときに話すお話~

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成績表を渡すときに、私がいつも話す話。

 

「学校の成績ごときに振り回されないでください。」

 

いつか苦情の電話がかかってくるんじゃないかと思うのですが、今のところありません。笑

 

学校の先生がこんなこと言っていいのか、とも思うけれど。

本当にそう思うのです。

 

私は、通知表を渡すとき、必ずこんな話をします。

 

 

今から通知表を渡します。

2学期のための参考にはしてほしいけれど、この通知表の成績が「いい」「悪い」に振り回されないでほしいです。

 

 

あなたたちは、たくさんの能力をもっていて、どの能力もすばらしいものです。

 

学校の成績で評価されるのは、その能力の種類の中のほんの一部分。

しかも、この1学期間という短い期間の中で、先生から見える部分だけを数値化したものです。

もちろん、心を込めて評価はしましたが、先生が見られてない部分、気づかなかった部分はあると思う。

 

だから、「成績が良い人ができる人で、悪い人はだめな人」みたいな、偏ったとらえ方を絶対にしないでほしいです。

これがよかろうと悪かろうと、大した問題じゃないと先生は思う。

 

大事なのは、この結果じゃなくて、そこに行きつく過程の方です。

だから、この学校の成績ごときで人をばかにしたり、自分はだめだと落ち込んだりするのはやめてください。

 

 

渡した後、こう話します。

 

 

すごくがんばって、前よりも成績が上がった人。

おめでとう!!すごい!!よくがんばった!!

やればできるということを学んだあなたは強い。

これからもたくさんのことに挑戦していってね。

あなたたちが成長していく姿に、先生もたくさん元気をもらいました!

2学期も応援しています。

 

たいして努力はしなかったけど、いい成績がとれちゃった人。

まぁ、よかったですね。

あなたは学校の成績の分野はわりと得意な人のようです。

この得意を生かして、もっと成長できるものを探してください。

これを生かして何ができるか、ぜひ一緒にさがしていきましょう。

 

がんばったけれども、思うような成績がとれなかった人。

悔しいね…。でも、その悔しさは次に向かうエネルギーになります。

失敗は成長するチャンスですよ

見直すべきはがんばり方。

人によって、うまくいく方法は違います。

2学期は別の方法でトライしてみてください。

できたところとできなかったところを見比べて、何が違うか一緒に検証しましょう。

先生は全力で応援します。

 

がんばらなくて成績が悪かった人。

「勉強できなーい」なんて、簡単に言わないでください。

できないんじゃない。やってないだけです。

できるかできないかは、一生懸命やってみて、初めて言えること。

落ち込む必要はありません。

 

 

あなたたちには、こんな紙っぺらで評価できないすばらしい面がたくさんある。

 

でもね。

じゃあどうでもいいやーってなってしまうのは、少しもったいないと先生は思います。

 

だって。

みんなは、月曜日から金曜日まで、毎日6時間も学校で勉強をしているわけでしょ?

せっかく時間を費やしているわけだから、将来のみんなの役に立つ時間にしてほしい。

 

ぜひ、自分が前よりもできるようになったところに注目してください。

次にもっとよくしていきたいことを考えてください。

 

先生は、みんなに「がんばってよくなる」経験をたくさんしてほしいです。

そのお手伝いをしたいです。

 

 

 

mikan0515.hatenablog.com

 

学校のルールって何だろう?~子どもが納得するためには自ら考えるのが一番!~

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「なんでシャーペン使っちゃいけないんですかー?」

「なんで交換日記しちゃいけないんですかー?」

 

高学年になってくると子どもからよく受ける質問。

こういう質問を受けた時、私は基本、答えません

 

こう聞き返します。

 

 

「いい質問だね!どうしてだと思う??

 

そうすると理由は子どもたちが考えてくれます。

全体に関わるようなことのときは、クラスみんなで考えます。

特にシャーペン禁止なんて、正直なところ、高学年にとっては「勝手にせーや」って思うようなルールです。

クラスで話し合うと、いろんな答えが返ってきます。

そして、私はいちいち反論します。笑

 

 

「なんでシャーペンを学校に持ってきちゃいけないんでしょうね?」

 

うーん。小学生だから??

 

「え!!小学生ってシャーペン持っちゃいけないの??」

 

そっか!

トラブルになるからだ!

 

「トラブルって?どんなトラブル?」

 

獲り合いとか?

盗まれるとか!

 

「それ、みんなが持ってくれば問題ないんじゃない?」

 

うーん。高いから??

 

「安いシャーペンもあるでしょ。百均でも売ってるよ」

 

ええーーー。

じゃあ理由ないじゃん。

なんでだめなんだ??

 

「低学年とか、小さいうちはね、うまく力が入らなかったり、正しい持ち方が身につかなかったり、手いじりしちゃったりするから鉛筆のほうがいいらしいよ。みんなはどう??」

 

ちゃんと持てるよ。

手いじりしないし。

じゃあ持ってきていいんですか??

 

「え。ルールだから、持ってきたら怒られるでしょ。先生も仕事だから怒るよ。でも、学校だけのルールだから逮捕はされないよ。そんなに持ってきたいの??」

 

え??

そんなにかって言われると別に…

持ってこられたらいいなぁとは思います。

 

「では、ルールを破るんじゃなくて、ちゃんと対応しましょう。みんなはもうできると思うよ。」

 

ちゃんとって?

どういうことですか??

 

「ルールを改正するための行動をしたらいいんです。どうすればいいと思う?」

 

え。ルールって子どもは変えられないでしょ!

先生が変えてくださいよ!

 

「え!!やだよ。先生はシャーペン使えるし、困っていません。」

 

えーー!!ひどい!!

冷たい!!

 

「ひどくないです。先生だって小学校のころはシャーペン使えなかったもん。

子どもは変えられないってあきらめてるなら変えられません。変えるための方法を考えられる人しかルールは変えられないよ。」

 

校長先生にお願いしたらいいんじゃないかな。

みんなの意見をまとめてさ。

 

「お。いいね!

どう話せば、変えたいって校長先生に思ってもらうことができるかな??いい案思いついたら教えてね。」

 

 

その日の給食と昼休みの時間に班ごとに話し合いをしていたようですが、特に行動を起こす様子はなく…

帰りの会のときに聞いてみました。

 

「シャーペンの話はどうなったの??校長先生に話しに行かないの??」

 

あーー。やめました!!

 

いろいろ考えたんですけど。

校長先生を説得するには、他のクラスとかにも話して、賛成意見集めて行かないといけないじゃないですか。

すごい大変だなって思って。

あと…

シャーペンを持ってきたほうがいい理由があんまり思い浮かばなくて。

今別にそんなに不便してるわけじゃないし。

中学生からは持てるわけだし。

1,2年生のことを考えると、何年生から持ったほうがいいかとか、難しいし。

 

そんなのに時間かけてるくらいなら、林間学校のレクの準備した方がいいってことになりました!

 

「あきらめたってこと?」

 

違います!

ルールを変えないことを選んだってことです!

 

 

子どもたちのすっきりとした表情。

自らで「ルールを変えない」ことを選んだ子たちは、こっそりとルール破りをしたりしなくなるものです。

 

たくましい!!(*^^*)

忘れもの対策!!~子どもたちに作戦を考えてもらおう~

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火曜日朝。
教室に入ると、私の前に長蛇の列ができました。
朝できる行列は、だいたいよい報告ではありません。


家庭科の宿題を忘れてしまいました。すみません。

社会の教科書とノートを忘れました。今日は他のノートに書きます。


なんと、その日は…
一週間前から出していた家庭科の宿題忘れ10人
イレギュラーに予定に入れた社会の教科書とノート忘れ5人

久々の忘れ物ラッシュ。
朝からテンションが下がります。



うーん………どうしたものか………


その日に必要なものを自分で用意すること
そのことを繰り返さないよう工夫すること

上の2つのことは、子供たちが将来社会人として生きていく上で、必要な感覚だと思っています。

とはいえ。

人はちょこちょこ忘れるものです。
(私自身もそうです。)
でも、3回連続で同じものを忘れたり、クラスであまりに忘れ物が多い場合は、指導をすることが多いです。
そこに何らかの原因が隠れている場合も多いので…


まずは原因を探ります。


1つ目は、子供たちの昨日の連絡帳の欄を見ていて、すぐに原因が見つかりました。

連絡帳の持ち物のところに社会が書いていない!

これは私の確認ミスです。

連絡帳の内容は、当番の子供が、学校だよりや学年だより、明日の予定表を確認して黒板に書きます。
そのあと、私に確認して内容が確定します。
この日の前日は、私が慌ただしく他の対応に追われていた関係で、私の確認が抜けていました。

これは、まずは謝らなければいけません。


「社会の件については、謝ります。
 社会の忘れについては先生の確認もれです。
 連絡帳の持ち物に書いていませんでした。
 これは先生が悪い。
 ごめんなさい。」


そう言うと、何人かの子供たちが手をあげました。

でも、明日の予定には書いてありました。
気付いていた人もいたのに声をかけませんでした。
これはみんなの責任でもあると思います。


「なるほど。
 そうやって思えるんだとしたら、いい勉強になったね。

 じゃあ、家庭科についてはどうだろう??
 家庭科の宿題については、一週間前から言っていたものでありそして宿題にもきちんと書かれていました。」


一週間も前から出された宿題だったから忘れちゃったんじゃないかな。
いつも出されないやつだからしょうがないよ。


そんな声が上がりました。


あー。なるほど。
今まで、長い単位の宿題やイレギュラーな宿題はしょうがないと許されてきたわけだ。
適当でいいやーと思ったら、そろうわけがない。


「皆さんは5年生です。
 中学生になったら宿題は一週間単位で出されることは当たり前になります。
 大人になったら、もっともっと長い期間でやり遂げることが出てきます。

 先生は、そのための良い練習になると思っていました。

 でも、皆さんがしょうがないと思ってしまうのならば、こういった宿題は皆さんにはまだまだ難しかったということです。
 宿題の出し方を変えます。
 残念ですが、先生の知ったこっちゃありません。
 中学生になってから困るのは皆さんですから。」


挑発モードでこう言うと、子供たちがのってきました。


いや、そんなことありません!


おっしゃ。
もうひと押し!(* ̄ー ̄)


「慣れない事は、できなくってもしょうがないと言っていましたね。
 思っていたよりもずいぶんと根性がないんですね。」


いいえ!!


元気な声が返ってきました。


どうしたらいいか考えます!
失敗したら次に活かさなきゃ!!

子供たちも私も、ニッと笑いました。


「分かりました。
 それでは今から、先生は皆さんのこわーい上司役になります。

 どうするか結論を出して報告しに来なさい。
 そうでなければ、今日のキャンプファイヤーのダンス練習には参加しなくてよろしい。」


えーーー!!そんな!!
なんでまた!!
楽しみにしてたのに!!


悲鳴が上がります。笑


「あ、そっか。忘れてない人もいるんでしたね。
 じゃあ、忘れた10人だけで考えたらいいと思います。
 10人はダンス練習に参加しなくてよろしい。」


いやいや、みんなで考えますよ!!
大勢の方がいいアイデアが出るから!!


「そうですか。勝手にしてください。」


そう言って1時間目の授業を始めました。



こういう時のクラスの団結力は凄いです。
倒すべき相手は先生。

休み時間に何やらワイワイ集まって、いろんなアイデアを出し合っていました。


昼休みに、ホワイトボードに案をまとめて持ってきました。


[珍しく難しい宿題が出された時の作戦]
①毎日の帰りの会で誰かがあと何日ですと言う
②得意不得意があるので得意な人はお助け隊を結成して困っている人を助ける
③3日前から連絡帳にも毎日書くようにする
④うまくいくやり方を見つけた人がいたら朝の会や帰りの会でみんなに広める


「さすがだ!参った!!」


そう言うと、歓声が上がりました。

早く珍しくて難しい宿題また出してもらわないと!

やんちゃっ子のKくんがそう言って、笑いが起こりました。


失敗も、子供たちにかかれば楽しいイベントになるのです( *´艸`)

教員の質は低下している?~新任の先生が辿る道は…~

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ちょっとやりきれなくなったので、小学校教員の現状を少しお話しさせてください。

 

 

教員採用試験の倍率は年々下がり、小学校においては全国的に3倍を下回ろうとしています。

教員の質は悪くなっていると言わざるを得ません。

 

それなのに。

先生になると、すぐに担任をもたされます。

 

授業がうまくいかない

学級経営がうまくいかない

 ↓

子どもの離席が始まる

ケンカが増える

 ↓

クラスが荒れる

 ↓

保護者からの苦情対応が増える

仕事に追われる

 

 

これが、多くの新任教員が辿るルートです。

 

この中で生き残れるのは、

 

わりと器用でなんとかできた教員。

学びながらがんばって力をつけた教員。

もしくは、

鈍感でメンタルがタフな教員。

うまくいかないことはすべて誰かのせいにして乗りきった教員。

 

この2つに大別されるように思います。

 

そして…

倍率の低下とともに、前者が年々少なくなっているように感じるのは、私だけでしょうか?

 

 

私の所属する地方自治体で、新任教師のための研修システムと言えば、以下の2つだけ。

 

・月に1回ほど教育委員会が開く研修に半日出向き、心構えみたいなことを聞く。

・週に1日、指導教員が教室に入り、指導をする。

(指導教員の大半が定年で退職した再任用の教員。正直、きちんと指導してくれる方は少ないように感じます。)

 

 

昔は先生と言えば尊敬されるものであり、何かあれば先生の言うことをしっかり聞くように親御さんが背中を押してくれるものでした。

 

今は違います。

 

先生の一般的な学歴よりも高い学歴を持つ親が多く、学校は、"勉強を教えてくれるありがたいところ"ではなくなりました。

 

先生というものに対して、もともとマイナスのイメージを持つ親も多く、毎日たくさんの苦情の電話が学校にはかかってきます。

 

もちろん、真摯に受け止めるべきものもたくさんあります。

 

でも…やりきれないような苦情も増えています。

 

子どもが先生を悪く言ったことを親が鵜呑みにし、親同士の LINE グループで話に尾ひれがついて噂が流れ…

こちらに伝わってくるときには、理解できないようなとんでもないものになっているものも多いのです。

 

 

 

そもそも…

先生に求められる資質とは何でしょうか。

 

担任が果たす役割は、講師であり、マネージャーであり、リーダーであり、コーチであり、カウンセラーです。

 

分かりやすく授業内容を伝えるプレゼン力

保護者や子どもとうまく信頼関係を築くためのコミュニケーション力

クラスをより良い方向に導いていくマネジメント力

子ども一人ひとりの心に寄り添うコーチング、カウンセリング力

約35通りの子ども達を惹きつける人間力

それぞれの教科における専門的知識

子どもの発達や発達障害についての専門知識

 

必要な資質を挙げればきりがありません。

 

加えて、世界や社会の状況をアンテナを高く捉え、俯瞰した上で、子どもたちに伝えていく必要もあると思います。

 

 

教員自身が日々学ばなければとてもつとまらない職種なのに、学ぶ教員は極めて少ないのが現状です。

 

日々の仕事に追われ、疲弊していることも一因ですが…

本を読まない、他業種と関わらない教員のなんと多いことか。

 

 

子ども達はとても素直です。

信頼できないと思う大人にはついていきません。

自分のことをわかってくれないと思えば反発します。

授業が分かりづらければ聞かなくなるし、勉強に対するやる気もどんどんなくなっていってしまいます。

 

小学校の場合、教室で起こっていることを一緒に見ていてくれる大人はいません。

子どもたちが帰るまでの間は、一人で対処しなければいけない。

いろんなことがうまくいかなくて、忙しさに追われる若い先生方に、子どもからも保護者からも、するどく攻撃する矢が容赦なく飛んできて突き刺さるのです。

 

真面目でがんばり屋さんの先生ほど、押し潰されてしまいます。

 

 

 

4月。

キラキラ目を輝かせながら、子どもが大好きだと言っていた新卒の先生。

 

心の病気でしばらくお休みすると、今日知らされました。

クラスは半崩壊状態にあるそうです。

 

 

能力不足でしょうか?

心が弱いのでしょうか?

教育は国の大切な部分を担う機関なはずなのに…

 

どうして何も教えずに担任を背負わせるのでしょう?

どうしてサポートできるしくみがないのでしょう?

どうして先生が学ぶようになるしくみがないのでしょう?

 

 

もやもやします。

でも、書いたらスッキリしました。

 

 

私は私のできることをする。

 

学ぶ。可能性を探る。

寄り添う。発信する。

 

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