先生vs子どものトラブル解決法!~悪口がもたらすものとは?~
4月の頃のKくんは…
授業が始まっても、教科書も出さなかった。
めんどくせえと言ってノートを書きたがらなかったし、
俺バカだからと言って、テストを白紙で提出してきた。
「体操着のシャツ入れて」とか、「上履きちゃんと履いて」と注意をするたびに、舌打ちしたり、反抗したり…
いつも何だか不満げだった 。
今では…
授業中たくさん手を上げて発表する。
ノートの評価は Aを取る。
漢字テストでは、だいたい80点を取れるようになった。
最近は、自主学習も自分から進んでやってくるようになった。
そんなKくんなのですが…
ある先生の悪口を言いふらしている中心メンバーの一人として、名前が挙がりました。
事実を確かめようと、 Kくんを呼んで話を聞きました。
その受け答えがなんともまぁ…
あっぱれ!( ̄ー ̄)
堂々としたものでした。
4月のころをちょっと思い出しました。笑
「はい。言ってますよ。
俺あいつ嫌いです。
偉そうに理不尽なことばっかり言ってくるんです。
俺悪いことしてません。」
どんな理不尽なことを言われたの?
そっか。
それは悔しかったね。
他には?
それの何が嫌だった?
寄り添って聞ききった後、聞きました。
それで、悪口を言いふらして、何かよくなりましたか?
Kくんの気分は、晴れましたか?
「………」
黙ってうつむくKくん。
悔しかった気持ちはわかるよ。
確かに、悪口を言えば、その先生を嫌だなーって思う人が増えて、その先生に嫌な思いをさせられるかもしれない。
でもさ。
それで??
それはKくんにとって、どんないいことがあるの??
例えばね。
今回のことで、Kくんは周りの人からこんな風に思われるかもしれない。
「あー、そっか。
Kくんって人の悪口を言いふらしたりするんだ。
きっと今日、今度は私の悪口を言いふらすんだろうなぁ。
これからKくんのこと呼んで注意するの、やだなぁ。
もうあんまり深く関わらないようにしよう。」
Kくんがパッと顔をあげて、悲しそうに首を振りました。
悪口ってね、一番被害を受けるのは、悪口を言っている本人なんだって。
自分の、人としての信頼度や価値を下げてしまうよ。
この後は、クラスみんなに話をしました。
先生たちはね、君らに嫌われる覚悟をもって仕事をしてる。
こんなこと注意したら、みんなに嫌われちゃうかな?なんて思ってたら、先生の仕事なんてできない。
だから、君らの将来にとってよくないと思えば遠慮なく叱るし、怒る。
そして、その怒るポイントや伝えたいメッセージは、先生によって違う。
だって、先生たち一人一人がそれぞれの人生を生きてきたんだもん。
大切に思うことも、みんなに伝えたいことも、みんな違う。
みんなは、関わる先生の数だけ、たくさんのメッセージを受け取ることができるんだよ。
でもね。
それを受け取るか受け取らないかは、あなたたち一人一人が決めることができる。
あなたたちが、「それは違う!」と思うことがあるなら、きちんと話そう。
大人だって間違う。
間違っているって分かったら、先生たちだって反省できるし、改善できます。
影でごちゃごちゃ言って、何かいいことがありますか?
それで何かが変わりますか?
せっかく出会って一緒に学んでいるんです。
きちんと話をしてください。
文句や悪口じゃなくて、相談ならば、先生はいくらだって話を聞きます。
子どもたちと同じ目線で物事を見られる大人でいたいです。
対等に話し合える信頼関係を、大切にしていきたいです。
子どもたちからのまっすぐな声に、きちんと向き合える大人でありたいです。