男子vs女子~私の気持ちなんてわからないくせに!~
給食準備の時間に、Sくんが相談にやって来ました。
なにやら、神妙な面持ちです。
「先生、相談があります。」
どうしたの??
「女の気持ちって、どうやったらわかるんですか?」
………((( ;゚Д゚)))!?
なになに??なにかあったの??
「4時間目の社会の時間に、班でまとめた意見を誰が発表するか?って話になって、ちょっともめたんです。」
うんうん。
「いろんな人が発表した方がいいから、いつもあまり発表してない○○さんが発表したら?って薦めたら、今回はやめとくとか言ってて…」
なるほど?
「そんなんじゃいつまでたっても発表できるようにならないよ。なんで発表しないの?勇気を出してやってみなよ!って励ましたら、発表が苦手な人の気持ちがわかってない!って女子たちが怒り出したんです」
おー。
それで??
「じゃあその気持ちをわかりやすく説明してみてよって言ったら、全然女の子の気持ちがわかってない!って言われました。」
ほー…………
「女の気持ちって、オレわからないんですけど、どうやったらわかるんですか?」
うーん……
それさ、たぶんなんだけど……
「女の子の気持ちがわかってない」って、「ちょっと無神経だよ」って意味なんじゃない?
「無神経?なんでですか?オレ、発表した方がいいって薦めただけですよ?」
でもそれ、断られたんでしょ?
それでもしつこく薦めたからじゃない?
「えー!!ちゃんと励ましたんですよ?発表はどんどんした方がいいって、先生も言ってたじゃないてすか!」
確かに発表はした方がいいんだけど…
本人がしたくないって言っているものを、無理やりさせることってできないんだよ。
本人がしたいって思わないことを、やれやれ言ってもだめだってこと。
前に話した、「馬に水を飲ませる話」覚えてる??
私たちが、「馬に水を飲ませたい」と思ったとする。
私たちは、馬を水呑場に連れていくことはできる。
でも、飲む気がない馬に、無理やり水を飲ませることはできないわけ。
「えー。じゃあ放っておけってことですか?声かけるのは意味ないってことですか?それってなんか冷たくないですか?」
だからね。
水呑場に連れていくことは、悪いことじゃないんじゃないかな?
がんばれー✨
発表するといいことがたくさんあるよ✨
応援するよー✨
って、応援することはできるんだよ。
でも、
なんで発表しないの?ほら、やってみなよ!ほらほら!!
って、無理やりさせようとしても、いい効果はないよってこと。
こちらがよかれと思ってしていることでも、「嫌だって言っているのにうるさいなぁ」って思われちゃうんだよ。
水呑場に連れてきたら、あとは本人に任せるしかないんだよ。
本人が「発表してみようかな」って思うときが、いつか来るかもしれないし、来ないかもしれない。
でも水呑場にいる方が、いないよりも、そう思える可能性は高いわけだ。
まだそのときが来ていないのに、無理やりさせようとしたから、無神経だよって女子たちに言われたんじゃない?
「あーー………」
Sくんも、
「なんで字を丁寧に書かないの?書けばいいじゃん!ほらほら!やってみなよ!」
って友達にしつこく言われたらどう?
「ああ!そういうことか!」
「それは嫌ですね。関係ないじゃん!って思いますね。もともと字がうまい人にはわかんないよって思います!あー!!わかった!」
(Sくんは、字をきれいに書くことがものすごーく苦手です)
Sくんはパッと笑顔になり、班に戻っていきました。
そして、女子たちに向かって、
「オレ、わかった!これからは水呑場まで案内するところでちゃんと止められるようにする!でも、発表のことに関しては、オレ、水呑場までは連れていけるから!だからがんばろうな!とにかくさっきはごめん!!」
といっきにまくしたてましたとさ。
最初はポカーンとしていた女子たちでしたが、
Sくんの勢いに押されて吹き出し、大笑い。
給食の時間は何かの話で仲良く盛り上がっていたので、
とりあえず、一件落着したようです。
苦手なものは、人それぞれ。
男女関係なく応援し合える環境を作りたいなぁと思うのですが、なかなか難しいですね。
がんばれ、Sくん✨✨