宿題忘れを克服したMくんの名言~みんながいるからがんばれる~
さてさて。
そろそろ、現在担任しているクラスのことを紹介します。
本年度は、5年生の担任を任せていただくことになりました。
授業に参加しなかったり、先生に暴言をはいたりする子が多く、暴力やケンカも多い学年。
問題児がとにかく多い学年だと言われている子たちです。
2ヶ月経った今……。
授業に参加しない子は一人もいません。
発問をすると、手の海!!
ほとんどの子どもたちが発言をしようと手を挙げます。
ケンカは、ほとんどなくなりました。
自分たちで考え、行動することができるようになってきました。
子どもたちの成長するパワーには、改めて驚かされます(*^^*)
今日は、そんなクラスの中で起きた宿題にまつわるできごとを1つ、紹介させていただきます。
4年生まで授業中は寝ていることも多かったという M くん。
4年生までは、宿題を提出することは稀だったそうです。
5年生になってから…
寝なくなる→ノートをとるようになる→宿題をやれるようになる
という成長を遂げてきたMくんでしたが…
先日、久々の3日連続宿題忘れを記録しました。
3日連続忘れると、私のお説教の対象になります。
聞くと、
「家に帰るとどうしてもめんどくさくなってできなくなっちゃう」
とのこと。
本人は悪びれる様子もありません。
まずは、やるべきことをやることの大切さを改めて話し、どうしたらできると思うかを聞いていきました。
いろいろ話した結果、Mくんが出した結論は、
「月曜日も忘れたら、25分休みに校庭をずっと走ります!!」
とのこと。
内心…
そっちに行ってしまったかー(゜゜;)
と思いながらも、まぁ、本人の意思を尊重して応援する旨を伝えました。
結果。
翌日も、宿題をやってきませんでした。
悪びれる様子は相変わらずゼロ。
「自分で言ったことの責任はきちんと取りなさい。また次の作戦を考えよう。」
そう言ってはみたものの、どうしようかなぁ~とモヤモヤしていました。
25分休み。
しなければならない会議を終えてから、急いで校庭へ向かいました。
Mくん、走ってるかな?
せめて校庭には出てるといいな。
と思いながら…
すると…
そこには…
わーわー騒ぎながらトラックを走るおかしな集団がいたのです。
「Mくんがんばれ!Mくんがんばれ!」
そう言いながら、クラスのみんながMくんを取り囲むようにして走っていました。
Mくんの表情は、心なしか真剣に見えました。
胸が熱くなりました。
「なんでみんなで走ることになったの?」
そう聞くと、
「困っている仲間はみんなで応援しなきゃね!」
と得意気に答える子どもたち。
思わず、泣きそうになりました。
クラスの成長を肌で感じました。
さて。
その翌日。
なんと、Mくんは、またしても宿題をやってきませんでした。
でも…
それを言いに来た彼の目には、涙がいっぱいたまっていました。
「ぼくは、悔しいです。みんなにあんなに応援してもらったのに…。みんなを裏切っちゃった。」
そう言ってボロボロ泣きました。
「そっか。じゃあ、どうやったらできるか、一緒に考えようか。先生が応援する。」
そう言うと、声をあげて泣きました。
一緒に考えました。
4日間貯まった宿題は、Mくんにとってはものごい量です。
「貯まった分は、先生と一緒に学校でやる。
1日分の宿題なら、ちゃんとやってこれる。」
これが、Mくんの出した結論でした。
クラスのみんなに、ボロボロ泣きながらこう話しました。
「ぼくは、みんなのおかげで目が覚めました。応援してくれて本当にうれしかったから、ちゃんとがんばりたいです。だから、まだ応援してください。」
みんなから、歓声が上がります。
「だいじょうぶだよーー!!」
「ぼくも宿題は苦手だよー!!」
「できるよー!!」
次の日。
久しぶりに、Mくんは誇らしげに宿題を提出しました。
「やったね!」
そう言うと、ガッツポーズで返してくれました。
「自分のなかで、何か変わったと思う?」
Mくんの答えは…
「うーん。宿題は、自分のためにやるものだけど、みんながやってるからがんばれるものだって思いました。」
とのこと。
学ぶところが多いです。
Mくんは、それから1度も宿題を忘れていません。
(貯まっていた分は、ものすごい集中力で休み時間に終わらせました。)
少し苦手なことでも、みんながいるからがんばれる場所。
そんな場所に、教室がなってきた✨
改めていいなぁと思いました。
私もがんばるぞーo(^o^)o