力を合わせて先生を打ち負かせ!~自分たちの権利を勝ち取ってみよう~
6年生をもつと、運動会前は心を鬼にして彼らと向き合います。
せっかく膨大な時間を費やして実施される運動会です。
みんなで力を合わせて何かを作り上げる喜びを感じてほしい。
一人でできないことが、誰かの力を借りるとできたりすることとか。
いいものをつくり上げようと真剣になることが感動を生むこととか。
一人でも多くの子に感じてほしいと思うから。
それには、やらされてる意識のままじゃだめなのです。
表現の一部分に、子どもたちがクラスごとにつくり上げるところがあります。
そこは、子どもたちが自分たちで話し合い、創作する部分です。
1分間くらいの短い時間ですが、自分達で一からつくり上げるというのは、かなり大変なことです。
それなのに、授業時間をこちらからは1分も与えることなく、クラスごとに発表し合う期日だけを伝えます。
放課後は駅伝課外練習があるため、使える時間は休み時間のみ。
発表する5日前くらいになると、子どもたちが焦りだします。
これ、ヤバくない??
このままじゃ見せられないでしょ!と。笑
こちらは、朝の会のお話とかで、プレッシャーだけを与えていきます。
あと○日ですね。楽しみにしていますよ。と。笑
そのうち、何人かが相談に来はじめます。
この度に、その子にだけ答えるのではなく、クラス全体に少しずつヒントを出していきます。
この1分間は、みなさんに任されている部分です。先生が何とかしてあげる部分ではありません。
先生にお願いしたいことがあるなら、きちんと要求をしてください。ただ助けてくださいでは、みなさんは何も考えていないのと一緒です。
もし、無理なようなら、こちらでつくりますから、今すぐにやめてもらって結構です。
それは、誰からの要求ですか?得意な人だけで行動して、他の人はおいてけぼりですか?
要求だけするなんて、いい身分ですね。それを要求する理由は何ですか?
先生が一度ダメと言ったらあきらめるんですか?その程度の気持ちなら、やめてしまいなさい。どうにかしたいと思うなら、どうしたら先生を打ち負かせるか考えるのではないですか?
やる気は言葉ではなく、態度で示しなさい。見えないものは、伝わりません。
やりたいことがあるならば、権利を自分たちで勝ち取ってみせなさい。文句を言っている暇があったら、できることを考えなさい。
放っておくわけではありません。
助けたくなる気持ちをぐっと堪えて、こっそり見守ります。
がんばっている子にこっそり声をかけ、集団行動が苦手な子をこっそり手伝って応援しながら…
クラスとしては冷たく突き放します。
その中で………
子どもたちは、悩みながら成長していきます。
クラスとしても。個人としても。
昨日、4時間目が終わると、クラス全員が立ち上がり、明確な要求をしてきました。
「これから、給食準備時間の最短タイムをみんなで協力して出してみせます。それができたら、5時間目の最初の時間を10分間ください。そして、昼休みからその時間、体育館を使わせてください。」
「立ち位置の確認をするのに、広い場所でやってみる必要があります。昼休みは委員会などの仕事で全員が揃いません。明日の締め切りの前に、どうしても全員で確認がしたいです。」
これまでの給食準備時間の最短タイムは7分20秒。しばらく破られていない、かなり優秀なタイムです。条件としては、かなり高く設定されています。
理由も明確で適切。
私に何度も断られながらも、めげずにみんなで考えたのです。
彼らの成長に、内心小躍りしながら、でも、あくまでも意地悪な感じで答えました。
「分かりました。ここ何日間かのみなさんのがんばりは相当なものですし、理由も納得できます。いいですよ。最短タイム、やれるもんならどーぞ。」
そりゃあ見事な連携で、7分ぴったりという驚愕のタイムを叩きだし、見事に権利を勝ち取ったみんなは、本当にうれしそうでした。
苦労して得た時間は、大切に使うものですね。
よく声をかけあって、助け合いながら練習をしていました。
今日がその、発表日でした。
出来上がったものを、クラスごとに見せ合いました。
もちろん、どのクラスも仕上がりはまだまだです。
でも、各クラスの発表を見て、自分たちの足りないところ、改善点を見出だしたようでした。
また1週間後に、修正期限を設定しました。
まだまだ、戦いの日々は続きます……
私もがんばるぞーーー!!