みかん先生はくじけません

教育革命家。未来学園HOPE学園長。しあわせ先生塾主宰。元小学校教師。平本式現場変革リーダー養成サブ講師。DoMaNNaKaマスタートレーナー。日本プロカウンセリング協会二級心理カウンセラー資格。教育についてのいろいろを綴ります。

不登校の子を担任しました~悔しい気持ちにやっと整理がついたかも~

昨年度、これまでほとんど学校に通えていなかった子を担任しました。

4月、初めてクラスの名簿を渡されたとき、「おそらく本人に会うことはないだろう」と言われました。

こちらから電話をかけたり、家庭を訪問したりすることは、その子も母親も精神的に追い詰めてしまうことになるとのこと。

こちらから積極的に連絡を取ってはいけないとも言われました。

 

しかし…実際はそうはなりませんでした。

 

私が、その子の母親からかかってきた電話を偶然取り、意気投合したことがきっかけで、その子は週1回、放課後に学校に来るようになりました。

 

初めて会った彼女は色白で、目はうつろ。

でも、歌がとにかく大好きとのこと。

 

彼女との、週1回の放課後の時間がスタートしました。

最初は、彼女の好きな歌を、私が覚えて一緒に歌うだけの時間でした。

それが、やがて算数やら漢字やらの勉強を少しずつするようになっていきました。

気付けば一緒に笑い合えることも増え、表情もだんだんと明るくなっていきました。

 

やがて、週に何回かは教室でみんなと授業を受け、週1回放課後に私と勉強したり歌を歌ったりするのがスタンダードなペースになっていきました。

 

修学旅行にも参加し、卒業式にも出席し、卒業していきました。

「中学校でもがんばります。」

彼女が自分からそういってくれたことは、とてもうれしかったです。

 

 

その後……

彼女は毎日中学校に通うようになったそうです。

部活見学にも行き、登下校も一人でできるようになったそうです。

 

でも、彼女はまた、教室に入れなくなりました。

 

 

他教科の先生に、担任の先生が彼女のことを伝えていなかったのだそうです。

彼女はノートを書く遅さをみんなの前で指摘され、固まってしまったのだそうです。

固まった彼女を、担任の先生はその後も放っておいたとのことでした。

 

 

「あんなことくらいで来られなくなるようなら無理でしょう。小学校が甘やかし過ぎるからこんなことになる。ノートをきちんと書けるようにするのは、小学校の役割でしょう。それを引き取るこっちの身にもなってもらいたい。」

 

 

言葉がグサグサと刺さりました。

 

忙しい中で、伝達ができないこともあるでしょう。

あんなことくらいで、と思う気持ちは分かります。

彼女が甘いというのも分かります。

私の力が及ばなかったのも事実です。

私がやりすぎだというのも、相手からしてみたら事実です。

 

でも…

全部人のせいですか?

中学校の役割って何ですか?

 

頭の中がぐるぐるする中、よい言葉は生まれて来なくて……

ここからできる最善の対処を考えてほしい旨を伝えました。

 

 

ちくしょー。

 

私にできる最善をするしかありません。

 

彼女に手紙を書こう。お母さんにも。

お互いに、今の事態を中学校のせいにしちゃいけない。

そしたら敗けだ。

どんな環境にあっても、彼女は彼女らしく、一歩一歩進むしかないのだから。

 

手紙を読んだお母さんと彼女が、会いに来てくれました。

一緒に笑い合えました。

心のモヤモヤが、少し晴れた気がしました。

 

 

たしかに、私がしていることは「やりすぎ」かもしれない。

中途半端かもしれない。

でも。

やりすぎだろーが中途半端だろーが、私がやることは私が決めるのだ。

 

彼女が元気になっていくのがうれしかった。

それだけなのだ。

 

何が正しいかなんてない。

 

ちくしょー。